幼なじみであり1年後輩の鳩谷こはねはよく私に変なことを言う。具体的には、私と2人っきりの時だけ妙に甘えた声で言ってきたり、部活でメンバーと談笑している時に、さりげなく割り込んできたりと少し困る。
こはねとの付き合いは子供の頃からで、家も隣同士なので自然に遊んでいた。でも、中学3年生の頃から受験勉強のことで忙しくなり、遊ぶ機会が激減してしまい疎遠になってしまった。そのため、2年生に上がり入学式の時、彼女に声をかけられた時には驚いた。
彼女の記憶は中学の時でストップしていて、何を話していいか分からなかった。久しぶりや、元気にしていた、など社交辞令的な言葉しか言えなかったが、彼女は目を輝かせて話を聞いていた。その時に『あれ?こんな子だったっけ?』と、頭に浮かんだが、久しぶりに知り合いに会えて興奮しているのだろうと解釈した。少し話すと、こはねは「あっ!!入学式があるから行きますね」と言って、体育館へ走っていった。まるで春の嵐のようだと思い、私も新入生歓迎のためにメンバーと合流するために、部室へと向かった。
入学式が終わり、部室で練習の準備をしていると扉をノックする音が聞こえた。部室には全員揃っていて、新入生であることはわかっているので、入学式が終わった直後から来るとは相当やる気があるなと話し合って、扉を開けた。そこにはこはねが立っていて、開口1番「鳩谷こはね、1年生です!! チア部に入部したいです!!」と元気に言った。
それが彼女、「鳩谷こはね」との久しぶりの出会いの始まりだった。
「ねぇ、宇希せんぱい! おはよーう!!」
「ああ、おはよう」
「もう!元気ないですよ、おはようございますっ!!」
「まったく、こはねは朝から元気だな」
入学式の再開から、2週間が経った。朝はこはねが私の家の前まで迎えに来て、一緒に学校へ行くことが日課になっていた。中学3年生までは一緒学校に登校していたことを思い出して、懐かしい気持ちになる。
「そうだ!こはね、学校には慣れたか?」
「それはもう全然問題ないよ!友達もすぐにできたし、それに……」
こはねはそういうと、小走りで私の正面に躍り出た。何をするんだろうと、不思議な気持ちで彼女を見ていると、「宇希せんぱいと登校できるだけでも、すっごく楽しいですよ」と上目遣いに少しからかうような調子で言った。
「も、もう…… 私をからかうのはいいけど、学校では真面目にな……」
目を逸らしながら、それしか言えなかった。彼女の蠱惑的な紅い瞳にドキドキしてしまう自分がいたからだ。
今まではーとは言っても2年前ー彼女に特に何かを感じることはなかったのに、気になってしまう。あの頃から身長が伸びたせいもあるのだろうか、少し大人っぽくも感じるが、特に顕著なのは天真爛漫な表情からの悪戯っぽい表情に変わるときのギャップだ。それが私の心を激しく惑わせ、とてもかわいいと思ってしまう。
こはねの可愛さはどこから見てもかわいいと言えるほど完璧で、先程は蠱惑的と表現した瞳もその奥には人懐っこさや優しさ、純粋さが消えていないからやはりこれもかわいい。なので私の目の前にいる「鳩谷こはね」という存在が例外無く可愛いという証明になる。
「どうしたの?宇希せーんぱい?」
気づかないうちにすぐ近くまで来て、顔を覗き込まれていた。それに驚いて少し後ずさると、こはねはまたもや悪戯っぽい表情で「せんぱい、行きますよ」と、くるりと身を翻し歩き出した。
私はモヤモヤした気分を頭を振り、飛ばすと彼女の後を追った。こんなやり取りも日常と化しているが、この時間を楽しみにしている自分もいるような気がした。
ホームルームが終わり、私は虎徹と一緒に部室へ向かっていた。
「宇希ちゃん、今日の小テストどうだった? 私はぜんぜんだったよ」
「うーん、そうだな 思ったよりできたかなー?」
「いいなぁ 宇希ちゃんいっぱい勉強しているイメージないし、才能かなぁ」
「おいおい!というか、私はこはねに勉強を教えてるおかげだぞ」
「え?なんで鳩谷さん??」
虎徹は、こはねに勉強を教えていることがテストでの得点に結びついていないようで丸い目をしている。
「そうだな……勉強を教えるってことは理解しなきゃいけない、それで伝えるために要点を理解すれば教えられるから、それを応用して自分の勉強にも役立ててる。そんなところかな? ほら、ひづめも教えるの上手いだろ?」
「へぇー!! そう言われればそうかもしれない なら、宇希ちゃん、勉強おしえ……」
虎徹が言いかけると、後ろから声が聞こえた。視線をそちらに送ると、こはねが少し不機嫌そうに眉を上げていた。
「舘島先輩、宇希せんぱいのカテキョは私専用なんです!」と、よく分からないことを言い出した。私はこはねの家庭教師になったことも、専用でもないので否定のために口を開こうとしたが、「そうなの?なら、私は兎和ちゃんに教えてもらお じゃ、部室で」と、虎徹は兎和の教室の方向へ行ってしまったので聞かせる相手がいなくなってしまった。
「せーんぱい、舘島先輩、稲葉先輩のところに行っちゃったね」と小さくクスリと笑った。5時間ぶりに見る、小悪魔的な視線にまたもやドキドキしてしまう。しかし、ここは学校なのである程度の威厳を確保するために、またドキドキを悟らせないように振舞う。
「ああ、っていうか別に専用じゃないからな こはねがどうしてもって言うからやってるだけだぞ!」
「ふふっ、わかってるよ でも、専用っていい響きですからね、私のものみたい」
「はぁ……でも、私以外には言うなよ 変な誤解を生むから」
「はい、わかっています」
ああ、私もわかってる。『専用』、なんていい響きだろうな、彼女の意識が全てこちらに向いているような気さえする。
いや、何を私は考えているんだ、確かに可愛いけど、こはねはただの幼なじみで後輩だ。それにどうせ私の反応が面白いからそんな思わせぶりな態度を取っているに決まっている。ふわふわと浮かれる自分に釘を打つようにそう言い聞かせて、部室へと急いだ。
「あっ!まってよ!先輩!!」と、後ろから聞こえたがそれを振り払うように階段を駆け上がった。
部室に到着した時には、隣からぜーぜーと荒い呼吸が聞こえていた。
「ちょ、ちょおっと、はぁ……宇希……せんぱー……はぁ…い はやい……よ」
「こはね、体力ないな……こんな状態じゃ部活はどうするんだ?」
「うっ……はぁ……もう大丈夫です!!」と、大きく息を吸い、呼吸を整えると腕を上げて『私いけます』のようなポーズを作った。自分の身の丈に合わないことをしているような可愛さで、それが愛らしかった。
だが、それと同時に身体能力の低さを部活以外で改めて実感し、どうしようとも考えた。体力測定の時も、「〇〇の女」だとか、フラフラになりながら口走っていたし、今のままでは夏の砂浜ダッシュがこはねの墓場となるだろうことは想像に難くない。
「なぁ、こはね 全然いけないだろ、体力をもうちょっとつけないと、|基《・》|礎《・》|練《・》|だ《・》|け《・》、って言われるぞ」
「えっ……!?そんな……チア禁止……!?」こはねは膝から崩れ落ちた。表情からは笑顔が消え、普段の軽い態度は感じ取れず、深刻さすら感じることが出来る。
そんな様子にさすがに言いすぎたかと、内心反省した。しかし、このくらいキツく言った方がこはねためになるかもとも一瞬考えたが、やっぱり私は彼女が笑顔でいることの方が重要だと、このワードを封印することにした。
こはねのかわいい笑顔を見られないなんて、世界の損失に決まってる。からかうような笑顔はドキドキしてしまうから勘弁だが、少しぐらいならこのドキドキを味わってもいいとさえ思う。
「まぁ、それを決めるのは私じゃないし、それにもしそうなっても体力作り手伝ってあげるから立とうな?」と、手を差し出すと瞬く間にいつもの笑顔に戻った。もはや清々しい。
「うんっ!宇希せんぱいとなら、何周でもできるよ!」
どうにも調子に乗りやすいようで、ハイハイと適当にあしらい、部室に入る。
部室にはひづめと花和が既に練習着に着替えて柔軟をしている。
「宇希さん、鳩谷さん、おはようございます」と、ひづめは相変わらず丁寧な挨拶をしている。
「有馬先輩、牛久先輩、おはようございます!」
「おつかれー」
「宇希、おつかれ。で、新入生はどうかしら?やる気は有り余っていそうだけれど?」と、花和は少し皮肉めいた質問をしてきた。それにこはねは表情を硬くして、不安そうな瞳をこちらに送ってきた。
「そうだな、まぁ追々というところだな、体力の件は私がどうにかする」
「はい、私も鳩谷さんはやれると思います」
「そう……ひづめと部長さんがいいと言うなら別にいいわ」
それを聞いたこはねは「やった!!」とはしゃいでいたが、すぐに花和に調子に乗らないと釘を刺されていた。
まったく、チアのことになるととことん周りが見えなくなる。これは彼女の悪癖だが、その真っ直ぐなところがこはねらしくて、それすらもチャームポイントとなる。それは私だけが知っていることだろうな、誇らしい気持ちになって彼女の頭を撫でる。
「もう……せんぱい 積極的ですね」と無意識のうちに撫でていたせいか、その声を聞いてふと我に返った。
「あっ!!いや!努力をしろって言う、発破をかける目的てやったからな!深い意味は無いぞ!!」と、頭に置いていた手を急いで引くと着替えをするためにカバンをロッカーに置き、練習着を着ようとした。だが、花和の面白がっている視線が刺さって着替えづらい。こはねは言わずもがな、この部屋で味方なのはひづめくらいだ。とは言っても多分この状況を理解をしていないだけで、『味方』という意味では向こうで面白がっているコンビとそう変わらないのかもしれない。
などと考えていると、「せんぱい、ありがとうございます」と言いながら隣で制服を脱ぎ出した。こはねのインナーは女の子らしくて……と彼女の着替えを視ないようにしているが、視界の端から強制的に視覚情報として入ってきてしまうのでそう考えてしまった。そんな悶々とした感情のなか練習着に頭を通そうとしていると、声が聞こえた。
「あっ、そういえば 宇希せんぱいは私のこと好きですか?」
嗚呼、なんというタイミング。私は下着姿でこはねはこれから制服を脱ぐぞ、というタイミング、目のやり場に困りバツが悪い時に限って変な質問をする。
どうだろう、「好き」とは。何を意図した質問なのかが分からない、普通に考えれば悩むことはないのだけど、相手はこはねだ。下手なことを言ってからかう口実を与えるのは良しとはしていない。感情を無理やり整理して平静を保つ。
「まぁ、そうだな」
それくらいに留めて、2人が柔軟をしている所へ加わった。私の回答を不満そうに練習着に顔を通していたが、こはねも着替えが終わりこっちに来た。
こはねが前屈に取り掛かろうとしたとき、「ごめーん、ちょっと遅れちゃった」
「すいません、こてつさんが急に勉強を教えてとせがむものですから」と扉が開き虎徹と兎和が入ってきた。
それに私たちは思い思いに、2人に挨拶を返して部活が始まった。
部活動の始まり柔軟運動からだ。ひづめと花和、兎和は、元々チアリーディングをしていただけに、前屈はベッタリと地面に着き、開脚も綺麗だ。その次は私で、虎徹に続く。だが、問題なのはやはりこはねだ、部活がある日は毎日見ているはずだが、見る度に驚きを提供してくれる。
体が硬すぎる、その一言に尽きる。開脚は無理として、前屈が脛の辺りで停止して、ぷるぷると震えている。ふざけている訳でも、遊んでいる訳でも無くそれが限界だということが伝わってくる表情をしていた。
「鳩谷さん、痛いですが我慢してください」とこはねの背中を押したり、体重をかけて!ようやくつま先に到達した。
「イタタタ!!!うっ!!ぐっ、はぁーー!!っっっ!!ああぁ!!痛いです!!!やややめやめグッ!!ぎゃあぁ!!!」とひづめのスパルタな柔軟訓練に多様な悲鳴をあげているが、止めてとは絶対に言わないようで、最後の砦のように歯を食いしばって耐えている。
この叫び声を聞く柔軟運動は終了し、こはねは部屋の隅で伸びている。
「宇希ちゃん、鳩谷さんの叫びのせいで新入生に変な噂がたってるらしいよ」と、虎徹が耳打ちしてきた。私は苦笑混じりに、知っていると言った。
「仕方ないけど、体面はすごい悪いね」
「そうだな」と返し、伸びているこはねに近づき起き上がらせた。
「おつかれ、こはね だいぶ良くなったんじゃないか?前まではつま先にすらつかなかったからな」
「……ぐすっ、成長してる……?」とこはねは涙目でこちらを見つめると、痛みで少し引きつっていたが笑顔を見せてくれた。
やっぱりかわいい、今度は朝見た無邪気な笑顔と、からかうような笑顔とは別の健気な笑顔だ。それが私の庇護欲に突き刺さり、この場で抱きしめたい気分にさせられた。しかし、からといってその場で実行するのはあまりにも厚顔無恥であるので、グッとこらえて立ち上がらせた。
「さぁ、次は外周だぞ シャキッとしろよ」
「えっ⁉ガイシュウ??へー?」
こはねは聞いたことのない言葉だというように、目をパチパチさせてその言葉の意味を消化していた。しかし、ある時を境に潤んで輝いていた瞳が完全に曇ってしまった。どうやら理解したようだ。
結局、外周の間中はその瞳は曇ったままだった。だが、無心なのか虎徹の後を遅れてついてくる程度には走れていて、花和も感嘆の声を上げていた。
「よく頑張ったじゃないか」と、へばっているこはねの肩を叩き水筒を渡した。相変わらず曇っているが、体は正直ですぐに蓋を開け水をごくごくと飲んでいる。
「ぷはぁ!!はぁ……ムッ!死にかけましたよ!」
水筒の中身が空になる頃には瞳には輝きが戻り、むくれながらそんな冗談を言う気力も戻っている。
「そんなこはねに朗報だぞ」
「……??」
「今からチアだ」
「……!!」
その言葉を聞くと、パッと表情が明るくなった。アホ毛も盛んに上下にブンブンと動き、まるで犬のようだと思った。
「ほんとですか、宇希せんぱい!! やったー♪」と勢いよく立ち上がるこはねの頭突きを躱して尻もちをついてしまった。
「うわっ!!危ないだろ!急に立ち上がるなんて」
「あっ、ごめんなさい ……えっと、行きましょうか?」
「ああ、どうも」
彼女の手を取り立ち上がった。
部活の時間が終わり、各々荷物を整えている。
「宇希せんぱい、帰りましょうか?」
こはねはオレンジ色のリュックサックを揺らし、キラキラした視線をこちらに向けている。私も準備は整っていたので、うなずき帰路についた。
「せんぱい、まだまだ明るいね」
時間は5時をすぎたところ、太陽はかなり西に傾いているが青空は健在で、興味深げに見上げている。こはねの口調も敬語混じりから、フランクな言葉遣いになっていて、帰り道なんだ、としみじみするところだ。
「宇希せんぱい、好き?」
「へ?」
不意打ちの質問に私はその後に「何が」と聞きたかったが、あの時の質問の続きだと思い、ドギマギとし答えることができなかった。それにこはねはニヤリとし「あれぇー? せんぱい この時間のことですよ 何を想像したんですかー?」と詰めてきた。
どうにもいかないと思い、とっさに顔をそらすとがら空きとなった耳もとに、「なら……私は宇希のことだいすき」と温かく甘い吐息とともに聞こえた。
どうにもいかない。驚いて首を振った時には彼女はすでに手の届かない所まで離れていて、普段は聞こえないドクトクな音が頭に響いてくる。
それと同時に、春特有の木々を抜ける風の爽やかな音もクリアに聴こえた。しかし、その余韻をかき消すように上がる体温が憎らしく、体の末端にも小さな心臓ができたかのように拍動し、またそらしてしまった。
「せんぱい やっぱりかわいい」何ともこちらを馬鹿にしたような憎らしい声だ。でも、やっぱりそれもかわいくてさらに体温があがってしまう。恥ずかしさで彼女の顔はまともに見ることができないが、きっと可愛らしい笑顔なんだろうな。私だけに向けられる、私のための笑顔。それが格別に嬉しいものであることは嘘偽りのない真実であり、私だけの秘密だ。
「ううっ……こはねぇ!!」と恨めしそうな声を出すも、演技だとバレないか心配だ。
「あはは!ごめんごめん ……ふぅ、今日はこれくらいだね ……そうだ、自販機でジュースを買うけど、せんぱいはどう?」
こはねはケラケラと笑うと、次は落ち着き払ったような声で、50メートル先の電信柱の近くに設置されている自販機を指さした。先ほどの一件で体温が上がって大量に汗をかいてしまい、飲み物を飲みたいと思っていたところだったので、一応顔を合わせないようにうなずいた。
さすがにつく頃には体温は下がっていて、私は麦茶、こはねはミルクティーを購入した。飲み物を買うときに「後輩だから、奢ってくださいという」悪魔の言葉を警戒していたが、そんなことはなく普通にリュックサックから財布を出して買っていた。
彼女は「うーん!やっぱりおいしい!!」とご機嫌にミルクティーを飲んでいる。その子供っぽい表情に、昔見た彼女の表情が重なった。
そういえばあの時もミルクティーを飲んでいた。でも、どこか寂しそうな表情と名残惜しそうな声で、帰り道を一緒に歩いていたような気がする。あの時は秋だったか、夕日に沈む町が妙に心の中に残っている。
たしか、木枯らしによって木の葉が擦れる音や、17時を報せるチャイムが鳴り響いていた。その日はこはねにもう一緒に帰れないと伝えた日だった。本格的に忙しくなって、遊ぶ時間も、かまってる時間もないと伝えて一緒に帰った最後の日。
そうだ、だからそんな顔をしていたんだ。そういえばあの時何を言っていたんだろう、別れ際に何か言っていたような気がする。すぐ閉まる扉に邪魔されて聞こえてこなかったけれど、確かに口が動いていた。その時何を言っていたか知りたいが、さすがに二年前の思い出を掘り返して聞いてもこはねは答えてくれないんだろうな。それにきっと私を非難するような言葉だったんだ。
麦茶をちびちびと飲みながら、横目で彼女のことを見ていたが時間が経つのは早いもので、もう少しで私たちの家近くで、この角を曲がればすぐそこだ。こはねはミルクティーを飲み終わったようで、透明になったペットボトルを太陽に透かしている。
「そうだ!」と、視線をペットボトルからいきなり私に向けた。びくりと反応して、すこし麦茶をこぼしてしまった。顎を伝う液体を拭おうとすると追い打ちのように、言葉が続けられた。
「明後日、どこか遊びにいかない?」
「! ??!! ?!!!ゲホゲホ!!!」
麦茶が気道に入りむせてしまった。しかし、これが直接的な原因でないことは明らかだった。
「せんぱい……!?大丈夫?」
「ううっうん……ああ!!だいじょうぶだ」と手を前に突き出し、焦るこはね制止させた。
そして、呼吸を整えて答える。
「楽しみだな」と。
その後は、どこに行くかを話し合うために荷物を置いて私の部屋に来ることになった。久しぶりのこはねの訪問に緊張が高まっていた。
ーTo Be Continuedー
宇希先輩を愛でようのシリーズ1です!
最近宇希先輩の話を書いていなかったので、久しぶりにかけて良かったです。やはり照れている宇希先輩が一番かわいいですし、こはねに翻弄されているのが至高です。
今回はこはねと中学校で疎遠になって2年ぶりに再会した設定です。こはねは年下キラーであり、年上キラーでもあるので、チアフル恋パワーが宇希先輩に向けられると絶対にこうなると思います!!強烈なアタックに困惑する宇希先輩……想像するだけで、萌えられます。
話は変わりますが、最近観た「どですかでん」という作品でNTRの怖さを感じました。作中で妻(多分)をNTRて脳破壊された男が廃人になってしまい、劇中で一言も台詞がないので、とんでもないダメージだと思います。つまり、純愛は最高ということですね?
拝読しました... さ、39作目!?!? いつの間にか作品数越されてた...
年齢改変IF、いいよね...。そして、先輩になってもやっぱりこはねさんLOVEになる宇希先輩まじ宇希先輩。
一方のこはねちゃん、後輩というだけでは説明のつかない小悪魔ぶり。やはり宇希先輩特効をデフォルトで持ってるだけのことはありますね。
宇希先輩を愛でようシリーズということd... え、シリーズ!? これは楽しみ。
あと、最後のあとがきの件、私も純愛一択です! 純愛最高!! 純愛最高!!
コメントありがとうございます!
そうですね、私も気づいたらこんなに書いていたと感じました。作品のナンバリングはWordに保存した順になっていて、未完成も含んでいて厳密にいうと本作は38作目です。
やはり、何度も言うようですが宇希先輩は恥ずかしがっているときが一番かわいいので、そんな反応を見るために書いているみたいなところがあります。
今後書くであろう話が結構シリアス寄り、または宇希先輩が主役のはなしがあまりないので、こちらで欲を発散していきたいところ(笑)
こはね×うき尊い…。
こはねの天然人たらし能力をフルに使うと向かうとここまで凶悪な小悪魔こはねが誕生するとは…もはや兵器ですよこれは。
原作宇希andこはねは逆に近すぎて(幼少期からの幼なじみ+同級生でいつでも会えることが分かってるから)恋愛関係というより親子感まで出てますけど、もし年齢に差があってこはねにそういう感情があれば実際こんな感じなんでしょうね…。
ーTo Be Continuedーということなのでめっちゃ楽しみに待ってます!
コメントありがとうございます、そしてあけましておめでとうございます!
こはね宇希のコンビは想像力が働きすぎて、いろいろな妄想が捗って大変素晴らしいです。なんというか、こはねはガンガン攻めるタイプなので、奥手の宇希先輩は「カッコーのえじき」になってしまうんですね。
あと、距離の近さは重要ですね、私が以前書いた「アルバトロスの愛」でも、お互い4年ほど離れて生活して再会したという話になっているので、離別が互いを意識させるきっかけになるのだと思います。
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