チノ(一年は早いもので、もう12月クリスマス前で街もすっかり華やかに最近なんか寒くないですか???」
マヤ「冬だし」
メグ「冬だよ」
チノ「冬ですね。なんですけど、こう、急に冷えてきたような」
マヤ「この国から四季は失われたよ」
チノ「そんな」
メグ「ちゃんと秋はあったよ?」
マヤ「そう言いたくなるくらい急に変わったってこと!」
チノ「数日前と同じ防寒対策は通じなくなった気がします」
メグ「そう言われるとそんな気がしてきたよ。ぶるぶる」
マヤ「これはもうチマメ探偵団を結成して解決するしか無いね。今日の依頼は、冬を乗り切るあったかいものを探すこと!」
チノ「結成する必要なくないですか?」
メグ「部屋の中に入ればあったかいよ」
マヤ「二人とも冷めすぎ! 身も心も冷えてる!」
チノ「冬なので」
メグ「冬だもん」
マヤ「冬だけど! でも心はホットでアチチでいいじゃん!」
マヤ「というわけで、たくさんアイデア出していこう! まずはメグから!」
メグ「うーん、でも、わたし冬は好きだよ?」
チノ「話が脱線する予感」
マヤ「待ってチノ。冬のいいところを知れば、解決に近づくかもしれない」
チノ「なるほど。ではメグさん、どうして冬が好きなんですか?」
メグ「だって、チノちゃんが生まれた季節だもん。冬がなかったら、私たちチノちゃんに出会えてないよ」
マヤ「確かに!」
チノ「なんか恥ずかしくなる答えが返ってきた! でも、言われてみればフユさんも冬生まれなわけですし、冬も大切な季節ですね」
マヤ「あ、やっぱりチノ的には春が一番大切な感じ?」
メグ「やっぱりそんなにココアが好きかー!」
チノ「そ、そんなこと言ってませんからね!」
マヤ「でもそっか、冬といえばチノ。チノといえば……」
メグ「……あっ、コーヒー! チノちゃんのコーヒーがあれば冬も乗り切れるよ!」
チノ「ありがとうございます。身も心もぽかぽかになるコーヒーを淹れますね。あっ」
メグ「解決したね」
チノ「解決しましたね」
マヤ「解決しちゃったね」
チノ「マヤさんの言う通り、解決策が出ましたね」
メグ「じゃあチマメ探偵団はこれで解散で」
マヤ「ちょっと待って! たくさんって言ったじゃん! もっとアイデア出そう!」
チノ「さっきからマヤさんちょっと変です」
メグ「どうしたのマヤちゃん」
マヤ「べ、べつに〜?」
チノ「その反応は隠し事してる人の反応です」
マヤ「隠してないし〜?」
メグ「絶対隠してる。私たち、以心伝心なんだよ?」
マヤ「今日の以心伝心は調子悪いんじゃね〜?」
メグ「むー。マヤちゃん、ちょっとこっち見て」グイー
マヤ「え、え、何!?」
メグ「じー……」ジー
マヤ「な、なんで見つめてくるんだよ!」
メグ「……あー! マヤちゃん寂しくなったんでしょ!」
マヤ「そんなわけな
メグ「さっきチノちゃんが『一年は早い』って言ってたからだよね? マヤちゃん、いつかこの街出そうだし」
チノ「それ聞こえてたんですか!?」
マヤ「な、な、なんでそこまで分か……あっ、まさか!」
メグ「マヤちゃんの考えてることはすぐに分かるよ」
チノ「すごい、目を見ただけでそこまで」
マヤ「以心伝心の悪用ーっ!」
メグ「そうならそうと早く言ってくれればよかったのに」
チノ「マヤさんのそういうところ好きですよ」
マヤ「うるせー! 別れが来るかもって思ったらそりゃ寂しくなるじゃん! 二人はどうなのさ!」
メグ「もしも、別れが来たら……そうだね、すごく寂しい」
チノ「……そうですね、きっと、とっても寂しいです」
マヤ「でしょ? それに、この年のこの冬は人生で一度だけ! チマメ隊で作れる思い出はたくさん作りたい!」
チノ「マヤさん……!」
メグ「マヤちゃんがそこまで考えていたなんて……!」
マヤ「そこも以心伝心で伝わってよメグ!」
チノ「でも確かに、高校生バージョンのチマメ隊は今だけですね」
メグ「チマメで作れるうちに作らないと、ココアちゃんにチノちゃん持ってかれちゃうね」
マヤ「最近はフユもライバルだね」
チノ「そ、そういう二人だって! 高校にはシャロさんもいますし、エルさんとナツメさんに攫われるかもしれませんよ!」
マヤ「……あはは! これじゃしばらくは寂しくなりそうにないや」
メグ「ほんとだよもー」
チノ「まったくです」
チノ「それにしても、笑ってたらなんだかあったかくなってきましたね」
メグ「友情パワーだね〜」
マヤ「コーヒーと友情で、私たちは身も心もぽかぽかになるのであった。これにて依頼解決!」
チノ「それまだ続いてたんですか?」
マヤ「これはもう名探偵間違いなしでしょ」
メグ「多分漢字が違うと思うよ」
マヤ「迷わねーし! それにしても、コーヒー飲みたくなってきたなぁ」
メグ「やっぱり、コーヒーと言えばラビットハウスだね」
マヤ「ラビットハウスにコーヒー飲みに行かなきゃ……あっ」
メグ「マヤちゃん?」
マヤ「メグ、ちょっとこっち見て」
メグ「?……なるほど」
チノ「二人ともどうしました?」
マヤ「チノ、今日ラビットハウスに泊まって良い?」
チノ「え?」
メグ「思い出作りだよ!」
チノ「突然ですね!? 父に確認してみます……おーけーみたいです」
マヤ「やった! さっそく用意してくる!」
チノ「私は先に戻ってますね」
メグ「うん、それじゃまたラビットハウスでね!」
〜ラビットハウス〜
マヤ「……メグ、私はここで死ぬわけにはいかない」
メグ「……私もだよ、マヤちゃん」
マヤ「メグを切り捨ててでも、私は生き延びる! 覚悟!」
メグ「マヤちゃんでも容赦はしないよ! てやー!」
カラカラ
マヤ「……だぁーっ、負けた!」
メグ「私の勝ち〜! 二番だね」
マヤ「私最下位!」
チノ(みんなで暗黒街のうさぎを遊んでいます)
チノ「一番を取った後に見る最下位争い、高みの見物って感じがしてちょっといいかもです」
マヤ「勝者の余裕だ!」
メグ「チノちゃんおめでとう〜」
チノ「ありがとうございます」
マヤ「何言ってるのさメグ。本当の勝負はここからでしょ!」
チノ「もうゲーム終わりましたよ」
マヤ「だったら次はチェスで勝負だ!」
メグ「じゃあ私応援係やるね」
チノ「チェスに応援係!?」
メグ「ここで死ぬ訳にはいかないから役割が欲しい」
チノ「暗黒街のうさぎくらい殺伐とした理由ですね」
マヤ「チェスは二人用のゲームだし、やっぱ勝負は他の内容で!」
チノ「でも、もうこんな時間ですよ」
マヤ「そんな余裕もここまで。それに……」
メグ「こんな時間だからこそ、だよ?」
マヤ「せーのっ!」
チノ「……へ?」
マヤ「はい勝った! 完璧な不意打ち!」
メグ「完璧な作戦!」
チノ「まさか、最初からこれを狙ってたんですか?」
マヤ「そう! チマメ隊の思い出作り!」
メグ「朝や昼にはもうみんなとの時間になっちゃうから、今のうちにね」
マヤ「私たちが一番乗り!」
メグ「これでまたあったかくなれるかな? ね、チノちゃん」
チノ「……」
マヤ「チノ?」
メグ「チノちゃん?」
チノ「ありがと、ございま……ふぐぅ」プエェ
マヤ「泣いてる!?」
メグ「ドッキリやりすぎた!?」
チノ「いえ、ほんとに、嬉しくて……ありがとうございます」
マヤ「へへ、これで寒さももう平気だよな!」
チノ「それとこれとは話が別です。明日の防寒対策考えなきゃ」
マヤ「急に心が冷えた!?」
メグ「そんな!?」
チノ「クールもホットも両方です。ていうか、いつの間にこんなこと考えてたんですか?」
マヤ「泊まって良い?って聞いた前」
メグ「以心伝心で決めたよ」
チノ「以心伝心ってなんでもありなんです?」
マヤ「こうなったら、もっともっと心をあったかくするよ!」
メグ「裏庭に行こうよ。お星さまが見えるかも!」
マヤ「思い出作りにレッツゴー! ほらっ、行くよチノ!」ドタバタ
チノ「え、そんな突然!?」
マヤ「さっきも突然だったし! さーて星は……って、あんま見えねー!」
メグ「あはは!」
チノ「もうめちゃくちゃです!」
マヤ「だなー!」
チノ「それに外は寒いですし。でも」
メグ「でも?」
チノ「冬なのにとっても……」
「「「あったかい!」」」
おわり
>>12
クソ寒いのでホットでアチチな情熱をちのちのりんりんお届けします
寒すぎる
>>13
そろそろチノの誕生日回をWPだけでなく本編でもやって欲しい今日この頃です(来そうではある)
拝読しました! さっっっっっっっっm (ry
今もセラミックヒーターでなんとか耐えてる私です。作者様も風邪や感染症にはお気をつけください...
閑話休題。
こんな冬優... じゃなくて冬の寒さも、あったかコーヒーや仲良し友情ぱわーの前にはひとたまりもないですね! 時間は無限ではないですが、だからこそ尊いものがあるのだと思います。
本当に本当に、三人はお互い良い友達を得たんだなって...
最後に、本当に遅くなっちゃったけど、チノちゃんお誕生日おめでとう!
...あれ、この演出、どこかで...
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