※この物語はフィクションです。
※ジョブは、恒常星5のものとします。(メリー:戦士 小夢:魔法使い)
メリー「やばっ!寝坊した!!」
アタシは今、ある所に急いでいた。
メリー「限定50個ライネ特製カカオマッシュドーナツ…間に合うかしら…?」
ライネ「カカオマッシュドーナツ残り10個でーす!」
カカオマッシュドーナツ…その名の通りカカオマッシュを材料にしたドーナツのことなんだけどカカオマッシュの数が少ないから期間限定でしか販売されないのよね…
それはそうと残り10個…今並んでいるのは2人…買えそうね…!
きらら「ツンツーンドーナツ10個とカカオマッシュドーナツ5個ください!」
ライネ「お買い上げありがとうございまーす!」
5個!?そんなに買うの!?アタシの分残るわよね…!?せめて1つ残って…
双葉「カカオマッシュドーナツ5個くださーい!!」
ライネ「いつもありがとうねー!」
双葉「遂に手に入ったぞーー!!前回買えなかったから早く起きて良かったーー!!早く帰って葉子様たちと食べよ!!」
メリー「えっ…」ズザァ…
アタシの耳にもその声は届いていた。華麗(?)にヘッドスライディングを決めたままライネの前まで辿りついた。
メリー「ライネ!実はもう1つ残ってたとかない!?」
ライネ「ちょっと待ってね……ごめんなさいねー、さっきので売り切れね。」
メリー「また再入荷を待つしか…」
小夢「ライネちゃん!カカオマッシュドーナツまだある!?」
ライネ「たった今売り切れたわね。」
小夢「たった今…メリーちゃん!複数個買ってたらぜひ私に」
メリー「生憎、アタシも買えなかった組よ。」
小夢「遅くまで原稿書いてたら寝坊したーー!!原稿恨むべし…」
メリー「ちょっ…仕事に恨みはないでしょ!!」
小夢「で、ライネさん?次の入荷はいつ?」
ライネ「そうねー…カカオマッシュをまた入荷しないといけないからそれ次第かな…?」
メリー「あ、いいこと思いついた…小夢、ちょっと…」(耳打ち中…)
小夢「あ、それいいかも!」
メリー「じゃあ決まりね!ライネ!」
ライネ「どうしたの?」
メリー「そのカカオマッチョとやら、アタシたちが獲って来てあげるわ!」
小夢「メリーちゃん、カカオマッシュだよー。」
メリー「あ、そうだったわね…」
ライネ「んー、じゃあお願いしようかな?食堂のお仕事もあるし、採集に行けるようになるの随分先になりそうだったから…」
メリー「アタシたちに任せなさい!」
小夢「ライネさん1つお願い!もし獲ってくることができたら私たちにカカオマッシュドーナツ作ってくれる?」
ライネ「勿論!約束するわ!」
メリー「そういえば、カカオマッシュってどこにいるの?」
ライネ「普段はこの洞窟の辺りでよく見るかな。ただ、ここから少し遠いし他のエネミーもいるから行くなら気を付けてね!」
メリー&小夢「はーい!」
アタシたちは洞窟に向けて出発した。
メリー「さて!探すわよ!現界の至宝のために!」
小夢「そういえばメリーちゃん、カカオマッシュってどういう見た目か知ってる?」
メリー「え?知らないわよ?小夢も?」
小夢「私も!!でもカカオマッシュっていう名前なんだし、キノコみたいな見た目してるんじゃない?」
メリー「そうね!とりあえずそんな形の奴探しましょ!」
ガサッ…
小夢「あれ?なんかそこの茂みから音するね?」
メリー「もしかして…カカオマッシュ?覚悟しなさい!」
小夢「どう?捕まえた?」
メリー「捕まえたわ!カカオマッシュ2匹!洞窟以外にもいるじゃない!!」
小夢「早速戻って調理してもらおう!」
アタシたちが軽い足取りで里に戻る途中だった。
カルダモン「あれ?2人でおでかけ?」
メリー「カルダモン!?」
小夢「カカオマッシュを探しているんですけど…!」
メリー「さっき捕まえたわ!これ、そうよね?」
カルダモン「あ、これね…」
カルダモン「これ、カカオマッシュじゃなくてましゅるんだね。」
メリー「ま、ましゅるん!?そんなのもいるの!?」
カルダモン「この2種類は見た目が良く似ているからね。間違える人がたまにいるんだよね。」
小夢「なんか見分け方ってあったりしますか?」
カルダモン「そうだねー…私もあまり何度も見た事あるわけじゃないけど…カカオマッシュの方が茶色がかってるかな?」
メリー「茶色ね!分かったわ!」
カルダモン「あと、カカオマッシュはスイーツが魔物化して生まれてるから他のスイーツ系エネミーと一緒にいることが多いって本で読んだことあるかな。」
小夢「他のスイーツエネミーねぇ…思ったんだけど、私の持ってきたおやつでおびき寄せられないかな?」
カルダモン「あー…甘いお菓子なら大丈夫かもね。前に見た時、甘い匂いが強かった記憶があるんだよね。小夢、今日甘いお菓子持ってる?」
小夢「持ってるけど…これで足りるかな?」(どっさり)
メリー「どんだけ持ってんのよ…」
カルダモン「それだけあれば十分だよ。まあ、無暗に使うと関係ないエネミー集めちゃう可能性あるから、洞窟に近づくまで使わない方がいいかな。」
小夢「分かったー!」
カルダモン「私、まだやることあるからそろそろ行くね。カカオマッシュ採集、頑張ってね。」
メリー&小夢「ありがとう!!」
カルダモンのアドバイスを受け、アタシたちはまた洞窟へ向かい始めた。
メリー「なんだかお腹空いてきたわね…小夢は平気…?」
小夢「ドーナツ美味し〜♪」
メリー「あ!ちょっと!アタシにも!!」
アタシたちは、少し休憩することにした。洞窟にも結構近づいてるみたいだし、体力回復は大事よね!
メリー「それにしても小夢、よくドーナツ持ってたわね。」
小夢「洞窟に向かう途中お腹空くと思って多めに持ってきた!」
メリー「アタシも持ってくるべきだったわね…あ…!」
小夢「どうしたの?」
メリー「ねえ、あれって…」
カカオマッシュ×2「……」
小夢「あれ、カカオマッシュだよね?茶色っぽいし?」(小声)
メリー「そうね、どこに向かうのかしら?」(小声)
カカオマッシュ×2「……」
メリー「なんか、洞窟の方向かってない?」(小声)
小夢「もしかして、帰る途中かな?」(小声)
メリー「その可能性はあるわね!着いて行ってみましょう!」
小夢「おーー!!」
着いて行って正解だった。カカオマッシュはアタシたちが目指していた洞窟の中に入って行った。
メリー「この先にいるのね…小夢、クリスタル持ってきた?」
小夢「あるよー!ほら、ドーナツそっくりのクリスタルが…」
メリー「ん?それ本物のドーナツじゃない?」
小夢「あ!ほんとだー!えっとえっと…リュックの奥底にあったーーー!!!」
メリー「使う可能性高いし、すぐ取り出せるようにしておきなさい。まあ持ってるならよかったわ。行くわよ。」
アタシたちが洞窟に足を踏み入れた瞬間、何かの声がした。
???「ググ、グオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
小夢「これ、絶対カカオマッシュの声じゃないよね…?」
メリー「そうね…警戒して進んだ方がよさそうね。」
カカオマッシュ×2「!?」
メリー「カカオマッシュいたわ!覚悟しなさい!!」
小夢「メリーちゃん待ってーー!!」
カカオマッシュ×2(ピタッ…)
メリー「あれ?何よ急に大人しくなって?」
小夢「なんでだろう…あ…!メリーちゃん!あれあれ!!」
メリー「なんかいた?……げ…」
チョコレート・ウッズ×2「グオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
小夢「え、なんか強そう…」
メリー「洞窟の中に木!?しかも2本!?」
チョコレート・ウッズ@「ダレダ…オマエタチ…」
メリー「カカオマッシュに用があって来たのよ。あんたはお呼びじゃないわ。」
チョコレート・ウッズ@「ン…ニオウ…ニオウゾ…」
小夢「なんの匂い?……まさか!?」
チョコレート・ウッズA「オマエ、ニオウ…アマイニオイガスルゾ…」
小夢「こ、これは大切な私のストックだけど…もしカカオマッシュと交換してくれるなら…」
チョコレート・ウッズ×2「ナカマニテダシハサセナイ!!」(入り口を塞ぐ)
小夢「どうしよう…外に出られない…」
チョコレート・ウッズA「ナカミヲスベテココニオイテイクナラミノガシテヤル。」
メリー「自分勝手にもほどがあるわね。そっちがその気なら受けて立つわ。小夢、戦える?」
小夢「勿論!このままただで引き下がるわけにはいかないよ!!」
もう、覚悟を決めるしかないわね。
チョコレート・ウッズ×2「ナカマヲヨブカ…ウォオオオオオオ!!!!!」
大量のカカオマッシュ「!?!?」
メリー「ちょっ…多すぎない?」
小夢「確かにカカオマッシュ採集に来たけど、こんなに多くは持って帰れないよ…」
メリー「小夢、確か魔法使いって一斉攻撃できたわよね?」
小夢「うん!私もできる!」
メリー「木はアタシがどうにかするから小夢はカカオマッシュよろしく!回収も頼んだわよ!」
カカオマッシュ「シャー!!」
小夢「来た!あんまり戦いの経験はないけど…えい!!」ビュッ!!
カカオマッシュ「ググ…」
小夢「弱ってる…!よし、もう一回!」ビュッ!!
カカオマッシュ「グェ…」
小夢「あ、倒れてる!今のうちに…!」(採集中…)
「よし!こんなもんかな!!メリーちゃ…」
チョコレート・ウッズ@「ググ…オモイノホカヤルナ…」
メリー「あんたたちもね…まさかこんなに押されるとはね…」
小夢「メリーちゃん!今加勢するね!」
チョコレート・ウッズ×2「ウォオオオオオオ!!!!!」
カカオマッシュ「!?」
小夢「まただ!これじゃキリがない…」
メリー「小夢!とりあえずカカオマッシュ片付けちゃいなさい!!」
小夢「わかった!!」ビュッ!!
カカオマッシュ「ググ…」
小夢「一撃…までとはいかないか…もう一度…」
カカオマッシュ「グァ!!」ヒュン!
小夢「きゃっ!」
メリー「小夢!?」
小夢「私は大丈夫…メリーちゃんは…?」
メリー「アタシはアタシで頑張ってるから…ある程度片付いてから手伝ってくれればいいわ!」
小夢「とりあえずカカオマッシュ片づけないと!!」ビュッ!!
カカオマッシュ「グェ…」
小夢「よし、メリーちゃん、今助けに…」
チョコレート・ウッズ×2「ウォオ…」
小夢「これ以上増やしちゃダメーー!!」ビュッ!!
チョコレート・ウッズ×2「グググ…」
小夢「効いた?」
カカオマッシュ「……」
小夢「完璧には防げなかったけど少ないね!一網打尽だー!」
カカオマッシュ「グェ…」
チョコレート・ウッズ×2「ウォオ…」
小夢「だからそれはダメだってばーー!!」ビュッ!!
チョコレート・ウッズ@「グググ…」
チョコレート・ウッズA「グフ…」
小夢「あれ?もしかして受けたダメージ違う?」
メリー「そうかもしれないわね!アタシも試してみるわ……そこね!」ザシュ…!
チョコレート・ウッズ@「グフ…」
チョコレート・ウッズA「グググ…」
メリー「さっきと逆ね?アタシの武器、月属性だから片方陽属性の可能性あるわね。そういえば小夢のそれって何属性?」
小夢「この武器土属性だよ!」
メリー「確か右の木、小夢の攻撃受けて苦しそうにしてたわよね。もしかしたら、水属性かもしれないわね。」
小夢「てことは分担した方がよさそうだね!」
チョコレート・ウッズ×2「バレタカ…ダガオモウヨウニハサセナイ」
メリー「攻略法が分かった今、楽勝ね!」
チョコレート・ウッズA(水属性)「グァド!」
メリー「盾になったつもりね…小夢お願い!」
小夢「任せてー!」ビュッ!!
チョコレート・ウッズ@(陽属性)「グブ!」(Aを飛び越して前に出てくる)
メリー「思ったより動けるのね…厄介だわ…」
チョコレート・ウッズ×2「ウォオオオオオオ!!!!!」
カカオマッシュ「!?」
小夢「しまった!また…倒さないと…」
チョコレートウッズ@「サセナイ…」
メリー「ここから先は通行止めよ!」カキーン…
小夢「今のうちに!!」
カカオマッシュ「グェ…」
小夢「あれ?一撃?」
メリー「もしかして、敵を倒すたびに火力上がってない?」
小夢「それあるかも!」
メリー「だったら…!」(Aの足元を攻撃)
チョコレート・ウッズ「グ!?」(飛び上がって避ける)
メリー「今よ小夢!決めちゃって!!」
小夢「一気にとどめ…!?ふつつかものですが…頑張ります!!」バビュン!!
チョコレート・ウッズA「グアアアアアアアア!!!!!」(倒れる)
メリー「よし!あともう一体…」
チョコレート・ウッズ@「グルル…」(枝を振り下ろす)
メリー「あっ!」バァン!
小夢「メリーちゃん!」
メリー「アタシとしたことがね…ちょっと回復するから足止め頼むわ…」
小夢「分かった!!」ビュッ!!
チョコレート・ウッズ@「ググ…」
小夢「どう?大丈夫そう?」
メリー「もう大丈夫よ!さてと、覚悟!!」
チョコレート・ウッズ@「グァド…」(枝で防御)
メリー「ガードが堅いわね…そうだ、小夢。」
小夢「何?」
(メリー、耳打ち中…)
小夢「わかった!やってみる!」
メリー「頼んだわ!」
小夢「えーーい!!」(チョコレート・ウッズ@の周りを走る)
チョコレート・ウッズ@「ナニヲスルツモリダ?ハッ!?」
小夢「メリーちゃーん!こんな感じでいいかなー?」
メリー「上等よ!!」
アタシの思惑通り、小夢の放った魔法がチョコレート・ウッズの周りを渦巻いている。
チョコレート・ウッズ@「コシャクナ…グルル…!」(腕を振り下ろす)
ブゥン!シュン…!
チョコレート・ウッズ@「ナニッ!?」
魔法はかき消せたけど、反動でチョコレート・ウッズがよろめいた…
メリー「…今ね!小夢があんなに頑張ってくれたわけだし、アタシはアタシのやらなくちゃいけない事をやるわ!!」
チョコレート・ウッズ@「ウッ…グルァァ…!」(体勢を立て直し、腕でフルスイング)
ザシュ…!
チョコレート・ウッズ@「ウゥッ…」(バタン)
小夢「か、勝ったんだね私たち!!」
メリー「そうみたいね!起き上がる前に早く行きましょ!」
アタシたちは洞窟を脱出し、無事に里に戻ることができた。
メリー「ありがとね小夢、一緒に来てくれて。小夢がいなかったら致命傷負ってたわね。」
小夢「私こそ!カカオマッシュゲットできたし翼さんの漫画みたいな冒険できて楽しかったよ!」
メリー「あー、そういえば漫画家だったわね。冒険系の漫画描いてるの?」
小夢「暗黒勇者って聞いたことない?翼さんが描いてる少年漫画なんだけど?」
メリー「んー?グリッチョなら聞いたことあるけど?今度本屋行ってみるわ!っと、もうすぐ着くわね!」
小夢「楽しみだね!『夢と友情の極上ドーナツ』!」
メリー「いいわねその名前!」
ライネ「あら!おかえりなさい!」
メリー「戻ったわよ!」
小夢「カカオマッシュ獲ってきたよ!!」
ライネ「あら…こんな大量に!!頑張ったわね!!早速作るわね!中で待ってて!!」
メリー&小夢「はーーい!!」
しばらくして、念願のドーナツが完成した。
ライネ「お待ちどおさま!!沢山食べてね!!」
メリー&小夢「いっただっきまーす!!!」
口にした瞬間、カカオマッシュパウダーの甘みとドーナツのサクサク感に体全体を支配されたような気がした。
メリー「うっま!!何これ!!美味しすぎるわ!!!シェフを呼びなさい!!」
ライネ「私よ?」
小夢「これで漫画作業捗る〜!そうだライネさん!レシピ教えてくれない?実家の洋菓子店の新メニューに加えたい!!」
ライネ「元の世界にカカオマッシュを持ち帰れるかは分からないけど…今度教えるわね!」
メリー「そういえば、ライネはカカオマッシュ採集、1人で行ってるのよね?」
ライネ「そうだけど、それがどうかしたの?」
メリー「アタシたちそこそこ苦戦したんだけど、よく1人で攻略できるなって思ったのよ。」
ライネ「食堂のお仕事で鍛えてるからかな?(昔勇者だったことは秘密にしないと…)」
小夢「嘘!?食堂のお仕事だけで!?2人がかりでギリギリだったんだけど…?」
メリー「戦士や魔法使いのアタシたちを軽々と凌駕してるわね…」
ライネ「日常の中でも鍛えられるシチュエーションはあるのよ!そうだ!食べ終わったらトレーニング場行きましょう!!私がみっちり鍛えてあげるわ!!」
メリー&小夢「へ?」
ライネ「そうと決まったら、沢山食べてエネルギーつけないとね!!」
メリー「なんか変なスイッチ入れちゃったみたいね…夢とキボーが薄れていくわ…」
小夢「折角ドーナツ食べたのに、また胃に穴が開きそうだよ…ドーナツみたいに。」
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ドーナツ好きという共通点を持つ2人でSSを書いてみたいと思い、投稿させていただきました!
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